20世紀オーストリア文学を扱った研究論集『モルブス・アウストリアクス オーストリア文学をめぐる16章』(前田佳一編)が法政大学出版局より刊行されました。目次は下記の通りです。 序章:モルブス・アウストリアクスあるいはオーストリア文学の過去と未来の間(前田佳一) 第1章:「ドイツ」国民:叙事詩?──オーストリア文学史叙述における『ニーベルンゲンの歌』(山本潤) 第2章:「全的人間」による共同体の創造──ホーフマンスタール『国民の精神的空間としての書物』とディルタイの精神科学(石橋奈智) 第3章:「この時代」の文化批判──ムージルの「カカーニエン」とアウストロ・ファシズム(桂元嗣) 第4章:「この小さな国──偶然にも私の故国」──シュテファン・ツヴァイク『昨日の世界』における「故郷」としてのオーストリア(杉山有紀子) 第5章:『聖霊降臨節の牧歌』から『聖霊降臨節の旅』へ──K・H・ヴァッガールにおける第二次世界大戦中/戦後の「故郷」理念の変化(杉山有紀子) 第6章:ナチスの桂冠詩人か、言語芸術の革新者か──ヨーゼフ・ヴァインヘーバーの戦後オーストリア文学における立ち位置(日名淳裕) 第7章:敷居に立つニーベルンゲン──マックス・メルによる二部作『ニーベルンク族の災厄』(山本潤) 第8章:アイヒンガー、アイゼンライヒ、ドーデラー──不信の詩学あるいは「オーストリア的なるもの」の象徴化と神話化(前田佳一) 第9章:インゲボルク・バッハマンと戦後ウィーン(前田佳一) 第10章:「オーストリア的なるもの」の緩慢なる自殺あるいは損傷した物語──ゲアハルト・フリッチュの長編『石の上の苔』と『ファッシング』について(前田佳一) 第11章:「けっしてひとりではない」場所──ミロ・ドールにおける故郷と自伝的語り(桂元嗣) 第12章:腐食する現在、拓かれる過去──イルゼ・アイヒンガーの詩における「錆」の主題(日名淳裕) 第13章:トーマス・ベルンハルト『地上でそして地獄で』における反復される「私」──詩「顔たちの日」と「九篇の聖歌」を例として(日名淳裕) 第14章:革命とフラグメント──初期ベルンハルトの中編小説(金志成) 第15章:ローベルト・ヴァルザー『散歩』とトーマス・ベルンハルト『行く』──二つの歩行する散文の分岐点(葛西敬之) 第16章:自伝が生まれる時──メタフィクションとしてのトーマス・ベルンハルト『推敲』について(飯島雄太郎) 詳細については、法政大学出版局HPをご覧ください。 https://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-49521-2.html コメントの受け付けは終了しました。
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